プロの住宅レシピ 光と風を通す建具 のびやかな空間をやわらかく仕切る
蟻川佑太・村田奈津子
『文京区マンションリノベーション』では20畳ほどある大きなリビングに十字の間仕切りを設け、必要な時には4分割やL字など、柔軟に区切って使用できるようにしました。
使わない時は収納の壁にぴったり納まり存在感を消しています。
この間仕切りは個室の扉ではなく、あくまでもリビングの仕切りなので、気配さえ仕切ってくれれば匂いや風通しまで遮断する必要はないと考えました。そこで大きな窓からの光や風を通してくれるものとして考えたのが、ラタンとポリカーボネートの建具です。籐の家具とも調和し、自然の持つ風合いを活かした建具は必要に応じて空間を柔らかく区切ってくれます。
ラタンは自然の物なので反りなど素材の持つ特性を理解して使用する必要はありますが(子どもが押しても障子のように破れたりしない、というメリットはあります(笑))、柔らかい風合いがシンプルで明るい空間を生み出すのに重要な役割を担ってくれています。
PHOTO:淺川敏