プロの住宅レシピ 光と景色を採りこむガラス張りのバスルーム
斎藤裕美+平山真
大山を臨む島根の自然の中に佇む古民家を改修した住宅兼オフィスです。
もともとこの建物は、増築を重ねたため建物の中心部に光が届かない暗い空間が生じていました。そこで採光、換気が取りづらい箇所を整理し、軸がバラバラにずれていた屋内の動線をすっきりとわかりやすいものへと整えました。
また、来訪者へのショールームの役割も兼ねているので、バスルームも奥まった場所の壁を取り払い、ガラス張りでベッドルームと一体化した広がりのある設計としました。
床には水回り対応のフローリングを採用し、置き型のバスタブとレインシャワーで非日常感のあるバスタイムが楽しめます。両サイドのガラスは開放でき、デッキ迄つながるので風通しも良好です。
ガラス張りですが周囲の田畑から上がった擁壁上にあるため、外部からの視線も気になりません。(それでも少し抵抗感があるな、という方はベッドルームの障子で視線を遮ることができます。)
一般的に閉じた印象になりがちな水回りですが、リノベーションの際に周辺環境などを考えながら、開放的で明るい空間を生み出すことも可能です。
PHOTO: 土橋一公