岸本姫野建築設計事務所
住所: 京都府京都市北区紫野北舟岡町42船岡山公園 公園管理事務所内
TEL : 050-5867-5415
E-mail
:info@kishimotohimeno.com
URL : https://www.kishimotohimeno.com/
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■ 白浜町の家
眼下に太平洋を見下ろす優れた眺望をもつ週末住宅(母屋+離れ)である。
かつてこの場には貸しコテージとして利用されていた分棟型の建物が幾つか建っており、そのままの状態で利用していた。しかし、家族で利用するには不便なものであったため、それらを取り壊し建て替える事を決めた。
敷地内は既存の樹木があり、地面には高低差があるため、海への眺望を求めつつできるだけ平らでひらけた場所に建てようと考えると、敷地面積の割には建物を建てることができる範囲は限られていた。その限られた範囲に地を這うように母屋を計画した。室内は敷地内の高低差をそのまま取り込み、玄関から奥に進むに従いフロアレベルが変化していく。屋根の高さは一定であるため、プライベート度の高い奥の主寝室に向かっていくに従って天井高さが抑えられ、落ち着きをもたすようにしている。また、かつての記憶を残した場所で食事をとりたいとのクライアントの意向のもと既存の建物が載っていた鉄骨を一部残し、上部に食事の場である小さな離れとデッキを計画した。
目の前に海が広がるという、決して変わることのない風景をもつこの住宅では、都市の中では実現できない風景や周辺環境との関わり方をより単純に考え構築していった。
PHOTO: 笹の倉舎 担当 笹倉 洋平
■ 壁を増やさず緩やかに空間を切り替えた家
『白浜町の家』は敷地内に高低差があり、その環境を建物に取り込んで活かすこととしました。この建物の前は美しい海で、その眺望を活かしたいのと別荘という性質を考えて、細かく壁で仕切るのではなく、敷地の高低差を活かして段差をつけることで緩やかに空間を仕切っていく方法を取りました。あまりにも広いワンルームのような形になるとかえって落ち着かない空間になってしまうので、段差で変化をつけていくことでシーンを切り替えています。段差の部分にはちょっと腰かけたりもできるように意図しました。他にもはしごでのぼる部屋など少し視線をずらした空間も作っています。
玄関から建物の奥にほど敷地に沿って床の高さが上がっていくので、寝室などのプライベート感が強い空間を奥に配置し、天井高が抑えられた落ち着く空間をつくっています。
PHOTO: 笹の倉舎