プロの住宅レシピ 音楽リビングのある住まい
木村哲矢
音楽室と言えば、防音のため地下や半地下に設計するイメージを持たれるかもしれません。こちらのご家族はみなさまが音楽を愛し楽器を演奏されるということもあり、「常に誰かの目に触れる場所にしたい」との考えで、音楽室をあえてリビングの横に配置し、音楽リビングとしました。
木造住宅では完全な防音は難しいことから、近隣には迷惑をかけないことを最重視。家の中では多少の音漏れは気にならないということでしたので、音楽室を他の部屋や空間で囲むように家の中心に配置し、隣家にワンクッション置くことで音漏れを防止しました。また、壁は2重にしたボードに、吸音のグラスウール、防音テープを使用。2重窓はもちろん換気扇からも音漏れがないように工夫しています。
音楽室では、気持ちよく演奏できるよう、リビングから1段下げた場所に配置。気積を多くし、音の響きがよくなる設計です。
リビングからは少し見下ろすかたちになるため、聴き手も自然な角度で見聴きすることができます。