プロの住宅レシピ ベニヤを磨いて仕上げた床
小野良輔
『奄美大島の家型』の床はベニヤを磨いて仕上げました。木の床ですがフローリングではありません。
この建物以前にも『住倉』の2Fの床の一部も合板を荒く磨いた仕上げにしていました。ただ『奄美大島の家型』では、暮らしのメインとなるLDKの床で、まだ小さいお子さんもいらっしゃるという状況でしたので、ケガなどに繋がらないように、よりきめ細かく磨き、さらに塗装を4回程度塗り重ねました。施主の方も、サンプルなどは見ていましたが、完成まではドキドキしていた部分もあったようです。
現在は木の価格の状況が変化していますが、当時はベニヤにすることでフローリングと比べてローコストで仕上げることができました。
また、好みの別れる部分だと思いますが、節などの木の持つ模様が派手に出ますので、個性のある床面となります。耐久性などの部分では積層フローリングと大差なく、特別メンテナンスが難しいなどもありません。フローリングのようにサネ(つなぐ部分)がないので平らで、万が一将来的に、シート張りで雰囲気を変えたいとなったときも施工が可能です。
PHOTO:©長谷川健太