プロの住宅レシピ コミュニケーションを生む段差
小野良輔
リビングの一部を下げることで、様々な役割を果たせる場所を作りました。
ソファの高さと合わせて35cm下げているので、腰掛けたときにソファにいる人とコミュニケーションを取りやすい設計になっています。
下がっている部分の床は土間ではないのですが、バーベキューなどをする庭からウッドデッキを通ってそのまま室内に入って来られることを意識しました。みんながぐるりと向かい合ってベンチのように座れます。
また床材に関しては子どもたちが段差で飛んで遊んでも足を痛めないように、石のような風合いの塩ビのフロアタイルを採用しました。床に座って遊ぶときは、段差に囲まれているのでおもちゃが際限なく広がることを(たぶん)防げます。テレビ下の部分は引き出しもつけて収納の役割も持たせました。
子供部屋と和室をつなぐ通路でもあり、家族間や、屋外と屋内など様々なコミュニケーションを生みだす段差です。
PHOTO:©長谷川健太