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■ Kさんと猫たちの家

　都内狭小地の建て替え新築の事例です。ご夫婦2人と30代の息子さん、猫2匹のご家族の家。葛飾区の耐震建て替え助成金を利用する為に、準耐火構造の２階建て木造として設計しました。液状化や浸水の対策検討も必要な地域でしたのでその辺りも住まい手さんと話し合い、予算の中で可能な方法をご提案し設計に盛り込みました。また、断熱・気密の性能を上げエアコン１台でも快適に過ごせる性能を確保しました。採光の取りづらい狭小地ですが、天窓やハイサイドライト、ストリップ階段の吹き抜けから光を落とすなどの工夫をしています。猫たちのトイレは必要な箇所数を設計当初から確保しつつ、生活用品の収納スペースもたくさん設け、限られたスペースの中でもスッキリ快適に過ごせるように配慮しました。
photo : 遠山功太 /archipicture

■ 猫も人も快適に。目隠しできて出入り自由なペットのトイレ収納スペース

偶然なのですが、私にご依頼いただく施主の方はペットを飼っていらっしゃる方が多いです。私自身はペットと暮らしてはいないのですが人と猫、犬などが快適に暮らすためには小さな工夫が大きな差をもたらすと考え、施主の方と一緒に必ずペット関連の場所や収納についても考えます。今回の工夫はペットのトイレをむき出しにせず、ペット自身も落ち着いて用を足せるスペースを創るという設計です。日頃、家族の中では見慣れていて気にならなくても、来客時には気をつかったり、猫自身も落ち着かないという経験をされた方もいると思います。そこでペットのトイレを収納の中に隠して、ペット自身は扉の丸くくり抜かれた部分から出入り自由、上部にはフードやペット関連の物を入れられるというかたちを考えました。この収納自体を設置する場所も、処理のしやすさを考慮して、施主の方と一緒に生活の仕方を話しながら決めていきます。このように家を建てる時に「後から何とかなるかな」、と思われがちな部分を大切にすることが、人とペットの快適な暮らしにつながっていくと思います。