プロの住宅レシピ 細部が生み出す美しさ。枠をなくして存在感を消したドア
礒健介
『柿生の家』ではドアの存在感をなくす工夫を行いました。写真1枚目むかって右のドアは、入り口を入ってすぐ横にあるのですが、正面には見晴らしのいい豊かな景色があります。そこにしっかりとフォーカスしてもらうためドアの存在感を極力薄め、シンプルな空間を作りたいと考えました。そこでこのドアは通常ある枠をなくして壁に収め、同化させて存在を極力消しました。出ているのは木の引手だけという状態です。(ちなみにドアの向こうは洗面脱衣所です。)小さな箇所のようですが、こういった部分で余計な物をそぎ落として行くことで、見せたい部分とそうでない部分が整理され、すっきりとした空間が生まれます。